- Shoichi Furusawa
人材紹介のリスティング広告、人材派遣のリスティング広告・集客の秘訣
最終更新: 2020年6月30日
人材紹介のリスティング広告、人材派遣のリスティング広告・集客シナリオとアカウント設計
人材紹介、人材派遣のリスティング広告の基本、並びにリードを効率的に獲得する施策、設定について、以下に述べていきたい。
人材会社のリスティング広告は「型」がある程度決まっているが、リスティング広告実績のない運用担当が設計する場合、その基本方針の理解が不足している場合が多く、発注している広告主様にはおかれては気をつけて頂きたい。
■目標CPAについて
人材会社でも、
・中途、新卒
・看護師、保育士、介護士、医師、障害者、アパレルなどの求人カテゴリ
など、人材カテゴリにより、大きく目標CPAは異なる。
看護師、医師などはCPAが高いことで有名だ。現在設定している目標CPAは、業界水準であるか、現在お付き合いの代理店以外のコンサルタントや、媒体社に確認するなどして、
改めて再確認して頂くことを推奨する。
■アカウントの運用方針と設計
人材会社のリスティング広告の場合、LPを起用しているケースが多い。
LPを起点に、検索領域については、現在は1キャンペーン、1広告グループで、
目標CPAで入札し、運用を実施しているケースが多いのではないだろうか。
改めて上記の設計がよいかどうか、仮説を立て、検証を繰り返し実施していく必要があると考える。
・シーズンにより大きく検索回数=表示回数は異なる
・シーズンによりCPAも競合等の影響で大きく左右される
・ビッグワードとロングテールでCPAが異なる
・地域単位で大きくCPAが異なる
など、キーワードセグメント単位、シーズン、エリアで大きくCPAは異なるのではないだろうか。特に、首都圏でCVを最大化したいが、地方のCPAが安く、効率が良いため、首都圏の配信エリアに制限がかかっている場合は注意が必要だ。
以下、よりキーワードの設定から考察していきたい。
■登録キーワード
キーワードは大きく、
・ビッグワード(カテゴリ×求人,雇用キーワード)
・ロングテール(カテゴリ×求人,雇用キーワード)
・就職先関連キーワード
の大きく3つに分けることができるであろう。ビッグワードでCVの約半数、ロングテール、就職先関連キーワードでCVの約半数を獲得していくイメージだ。
基本的な思考では、上記3つのキーワードセグメントは、別キャンペーン設定でよいのではないかと考える。理由は、先程述べた通り、シーズン、エリア、またご予算等を考慮し3つに分割していくことで、CV最大化、またCV効率化のリスクを極力減らすことができると考えられるからだ。
媒体社の推奨は、もちろん1キャンペーン、1広告グループである。
ビッグワード、特に完全一致は競合やシーズンによりCPAが変動しやすい。
ロングテール、絞り込み部分一致は比較的、安定してCVがとれる。
就職先関連キーワードは常に変動する。
上記が、3つをわける理由である。
■除外キーワード
また、求人関連のリスティングで、非常に重要なのは除外キーワードの設定である。
アルバイト、パート、また業務委託、ハローワーク、などCVはするが、最終的に「内定」までの可能性が低いキーワードは除外設定をしておくべきであろう。
年齢も関係する。60歳、70歳など、年齢で検索するユーザーも一定数存在するが、
果たして、年齢の高いユーザーのリードを獲得したいか否か、についても検討したい。
業界ごとに、設定する除外キーワードは異なるが、随時、検索クエリ(検査語句)を確認し
除外キーワードを設定することを推奨する。
■広告文
広告文は、各会社、ユニークに設定しているケースが多い。
いかに、他社と比較して魅力的な広告文を作成し、かつ、LPにも反映するかを思考している。
人材会社におけるリスティング広告の成功例として、小生は
・エリア(地域)考慮 →どこで働きたいか、どこの求人が多いかを広告文で訴求する
・シーズン考慮 → 〇月の求人多数、などシーズンを考慮した訴求
・紹介社数 → 業界No1である。など実績を訴求。(Yahoo!はNo1表記不可)
など、上記3つを軸に展開していきたい。
また、3つの広告文で訴求する内容については、LPでも訴求すべきだ。
現在、Googleオプティマイズの機能を活用し、LPの修正は、比較的簡易に、リスティング広告の担当者(代理店)が、広告文の変更と共に、LPの変更対応も可能である。
小生は、広告文の変更と共に、LPの変更も実施する支援を行っているが、
代理店がどこまで対応しているか、についても改めて確認してもいいであろう。
■入札
基本、目標CPA入札で問題ないであろう。
しかしながら、地域単位や、先程述べたキーワードセグメント単位でのCPAは随時変更する調整が必要となる。また、CVが少ない場合は、個別入札での運用が良好なケースもある。
部分一致(絞り込み部分一致)と、完全一致を個別で入札を戦略的に分けることも考えられる。
CPAを合わせていく場合、総じて、部分一致(絞り込み部分一致)のクリック単価は安く、
完全一致のクリック単価は高くなる傾向にある。
CVの総数に応じて、自動入札での設定にするか、個別での入札で設定をするか考えたい。
(小生の所感では、CVが月に50未満の場合は、個別で入札をした方が良くなるケースがある。CV総数に応じて検討したい)
■GDN, YDN領域における新規ユーザーへの広告露出
GDNはカスタムインインテント、YDNはサーチターゲットを強く推奨する。
その他ディスプレイの配信手法を検討しても良いが、まずは上記一択であろう。
次の段階で、類似(lookalike)を検討したい。
YDNのインフィード面、またYahoo!ではPCブランドパネルも活用できる。
GDNだけではなく、YDNでもCV最大化を考慮した場合は、是非この配信手段も検討したい。
また、新規ユーザー向けの配信を実施する場合に、除外ユーザーの設定を失念しているケースがある。
リマーケティングは、Webサイトに訪問履歴のあるユーザー、
新規ユーザーは、Webサイトに訪問履歴のないユーザー、
と定義するのであれば、新規ユーザー向けの設定では、リマケユーザーを除外する必要がある。
(もちろんCVユーザーは最大540日で除外するなど基本設計があっての事項だ)
除外設定状況も改めて確認して欲しい。
■総括
コロナの影響で、「家にいながら就職活動」「オンライン面談も可能」など
人材会社との対面での面談を実施せずとも、次へのSTEPが可能な広告訴求を実施しているケースも多い。
アフターコロナ、ウィズコロナの時代では、面談がオンラインになることも想定される。
また、首都圏で募集、広告を実施していたが、「実際の業務では首都圏の出社がない場合」全国での広告配信、等も考えられるであろう。
オンライン面談の増加、働く環境の自由化、など大きく変化する可能性も高い。
可能な限り早いタイミングで、他社に先を越されることなく、広告運用でもチャレンジして欲しいと願う。